新しい春に向かって

 昨日、42歳になる教え子から母親になったという知らせをもらいました。彼女は子どもの頃から様々な失敗や成功を経験し、社会人になってからも世間の荒波に揉まれて挫折と再出発を繰り返してきました。それでも彼女は、挫けそうになった時に一人で抱え込まず、人を頼ることができる人でした。30代後半には、直前の失敗を転機に一念発起し、震災後に行われたビジネス・プランコンテストに挑戦し、見事チャンスを射止めました。その後何年か地元で会社を立ち上げて仕事や人生の土台を固め、さらなる夢を持って上京しました。そして昨年、人生の伴侶を得て、この春「力丸」と名付けた男の子を出産し、母となりました。
 彼女が心にいつも不安を抱えながらも、それを乗り越えていくことが出来たのは、母親がその背中で生き方を教えていたからだと、私は思います。その母親は、世話好きでよく人と交わり、子どもを甘やかさず、よく、「大丈夫。自分でやりなさい。」と言っていた人でした。子どもが30歳過ぎに思いの外早く亡くなってしまったあたりも、その人らしいことだと感じたものでした。
 3月9日は本校の受験生も、それぞれの志望校で、自分の力で人生の進路を切り拓くための試験に挑戦してきました。合格を祈る事はもちろんですが、合格しなかったとしても、「大丈夫。乗り越えなさい。」と言ってやることが、子どもが自分で何とか生きていく力をつけることにつながるのではないでしょうか。子どもたちが受験と卒業、高校入学を経て、新しい環境の中で自分の殻を破り自力で歩み始める時、きっと世界と自分がこれまでとは違って見えてくることでしょう。 そうやって子どもたちはどんどん成長するとともに、親も次第に子離れさせられていくのかもし れません。これから西中の生徒たち一人ひとりのそれぞれの物語がどのように綴られていくのか、ずっと見守り応援していきたいと思います。
 今年度の校報もこれで終いです。既にそれぞれの春に向かって走り出している西中生です。「大丈夫。自分で決めて自分でやってみなさい。」と言って、新しい道へと送り出したいと思います。 今年度も色々とありがとうございました。

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